知っておきたい不動産という特殊な資産が持つ特徴
まずはこの特徴を理解しましょう。
劣化資産と非劣化資産の組合せ
土地は、その時々により時価としての価格変化による価値の上げ下げはありますが、通常資産価値は劣化はしません。
逆にその上物である建物は時間の経過と共に価値が下がっていくという特徴があります。土地自体は最終的に残りますが、建物部分は最終的には価値が無くなる(撤去等のコストも考えるとマイナスになる)という特性があります。
投資対象として不動産を見た場合、不動産部分の減価を計算した上で投資する必要があり、不動産投資は計算が複雑化します。
不動産投資は競合投資
例えば、AさんとBさんが持つ株は購入した時期が違い購入価額が異なっていても本質的には、それぞれの1株は同じ性質を持っています。お金も同じで1万円は1万円の価値があります。今私の財布にある1万円とあなたの財布の中の1万円は札自体は異なりますが、価値は同じです。
しかし、不動産の場合、同じ地区の不動産でも本質的に異なります。つまり、Aさんの所有する不動産はこの世に二つと存在しないものなのです。東京都○○区○○3−15−23という番地に存在する不動産はその不動産以外にありません。東京都○○区○○3−15−24にある不動産物件は、前者の隣に存在はしていても全てが前者の者と同一でありません。
Aさんが持つ不動産と全く同じ不動産がBさんが持つにはAさんから買い取る以外に手に入れることができません。そのため、不動産は多様性を持っているのです。
つまり、不動産投資は非常に選択肢はたくさんあってもそれぞれの質が異なるものとなり、非常に選別が難しくなります。
不動産は見える資産
不動産投資の特徴として、不動産の保有が名誉欲・所有欲を満足させるというものがあります。現金や債券・株式などをいくら保有していようがそれを四六時中見せびらかしているわけにはいきません。
しかし、不動産の場合、豪邸を建てることで他人に見せびらかしたりすることが四六時中できます。というよりも、外から自由に見えてしまう性質があります。このような満足感を与えてくれる資産は不動産以外にはあまりありません。
類似的なものに、自動車もありますが、こちらは完全な劣化資産ですし、収益化が難しいので、通常自動車を買うことを投資ととらえる人はいないでしょう(業務利用やクラシックカーなどは別として)。