CFD取引のメリット
CFD取引を利用するメリットを何なのでしょうか?
わざわざ個別の株式やETF、またはそれらの信用取引や先物取引などを使わずにCFDというちょっと特殊な形態の取引を利用するメリットをまとめていきます。
大きなメリットとしては投資対象が幅広くアクセスしやすいこと、レバレッジ効率を活かせること、ショートポジションが取れることとさらに金利を受け取れることなどが挙げられます。
CFD取引は投資対象が幅広くアクセスしやすい
CFD取引の大きなメリットとして、幅色い投資商品へのアクセスが挙げられます。「CFDとは」でも説明していますが、個別株式、株価指数、商品(コモディティ)といったように様々な商品に一つのアカウントで投資ができます。 (取り扱い商品はCFD取引業者によって異なります)
- 株価指数
- 個別株式
- 債券
- コモディティ
などに幅広く投資をすることができます。
仮に証券会社を通じて株と商品(コモディティ)に投資をしたいなら普通は別々のアカウントを作ってそれぞれで資金管理する必要があります。一方のCFD取引は預けておく証拠金一つで様々な投資商品に自由に投資ができるアクセスの良さは魅力と言えるでしょう。
取引可能な時間が長い
たとえば、日本の証券市場は日本時間の午前9時〜午後3時が取引時間(東京証券取引所の場合)となっています。
一方でCFD取引はほぼ一日中取引ができます。もちろん銘柄によっては取引可能な時間は異なりますが、市場が開いていないタイミングでも売買できるというのは魅力ですよね。
代表的な証券取引所の取引時間
代表的な証券取引所の取引時間は以下のとおりです。
取引所 |
国 |
取引時間 |
備考 |
東京証券取引所 | 日本 |
9:00〜11:00 13:30〜15:00 |
なし |
ナスダック(NASDAQ) ニューヨーク証券取引所 アメリカン証券取引所 |
アメリカ |
23:30〜6:00 |
サマータイム有 |
ユーロネクスト・パリ | フランス |
17:00〜1:25 |
サマータイム有 |
フランクフルト証券取引所 | ドイツ |
17:00〜1:30 |
サマータイム有 |
ロンドン証券取引所 | イギリス |
17:00〜1:30 |
サマータイム有 |
レバレッジにより資産の数倍もの取引が可能
CFDの第2のメリットとして、レバレッジをきかせた投資ができるというのが特徴です。外国為替証拠金取引(FX)や株式の信用取引を経験されている方なら理解が早いと思いますが、レバレッジとは、預けている資産の数倍の取引が可能になるというものです。
例えば、100万円の資産で投資をする場合、現物株への投資なら100万円までしか投資できませんが、CFDは差金決済取引なので(実際に株式を購入するわけではないので)、取引業者により倍率に違いはありますが、200万円とか500万円といったように預けている資産以上の投資が可能になります。
つまり、小額の資金で大きな投資ができるためより効率的な投資が可能ということになります。しかし、高いレバレッジは大きなリターンを生む代わりに大きなリスクを生むことにもつながります。高倍率のレバレッジで投資をする場合にはリスク管理が重要です。
なお、レバレッジについては「投資とレバレッジとリスクに対する正しい理解をしよう」で詳しく説明しています。
ショートポジションが取れることとさらに金利を受け取れること
CFD取引のメリットは買い(ロングポジション)だけでなく、売り(ショートポジション)から入ることもできるという点があります。
売りから入るとはどういうことかというと、信用取引でいう「空売り」と同じです。
空売りをした場合、その後、価格が下落した後で買い戻すことでその差額を得ることができるという取引になります。CFDでは、買いだけでなく、この空売りも可能になっていますので、例えば、今晩のNYダウが下がるのでは?という相場観のもとNYダウのCFDを空売りして実際に株価が下がれば利益を得ることができます。
CFD取引におけるオーバーナイト金利
では、CFD取引ではどのようにして金利の交換というものが発生するのでしょうか?CFD取引を行う場合、「対応した通貨を売って、対応する株式を買う」という流れになります。この場合、スワップでいう「円を売ってドルを買う」のと同じことになります。
この場合、株式から発生する金利を受け取り、売った通貨の金利を支払うということになりますよね?では、売った通貨の金利というものは何かというと、買った株式に対応する通貨です。
例えばトヨタ自動車の株をCFD取引で購入する場合、円を売ってトヨタ株を買うと言うことになります。この投資家はトヨタ株を購入したことにより得られる金利を受け取り、円の金利を支払うということになります。つまり、トヨタ自動車の株式を購入した投資家は円を借りたときの金利を支払う必要があります。この金利というものは、各国の政策金利の水準によりCFD取引業者が決定しています。
逆に、トヨタ自動車の株式をCFD取引で空売りした場合はどうなるでしょうか?この場合は逆に円を借りたときの金利を受け取ることができるのです。
CFD取引におけるオーバーナイト金利の発生条件について
言葉だけでは、なかなか分かりにくいと思いますので、オーバーナイト金利について、図表にして説明します。ここでは、仮にトヨタ自動車の株式をCFD取引で売買するときのオーバーナイト金利について説明します。
オーバーナイト金利 |
配当時 |
|
買い方(CFD取引で買い) | 政策金利+αを支払う |
配当相当額を受け取る |
売り方(CFD取引で空売り) | 政策金利+αを受け取る |
配当相当額を支払う |
上記のようになります。政策金利+αのα部分はCFD取引業者の手数料分と考えてください。概ね1〜2%程度になっていることが多いです。
こうすると、CFD取引では空売りが有利になるように感じますが、一点注意が必要なのは「配当時」と書いたものです。
最初に書いたように、トヨタ自動車の株をCFD取引で購入した投資家は「株式から発生する金利を受け取り、売った通貨の金利を支払う」と書きました。売り手(空売りをした投資家は逆ですね)
つまり、CFDの買い手は「株式から発生する金利=配当金」を受け取ることができ、逆に売り手は配当金相当額を支払う必要があるのです。ただし、株式の配当金は通常決まった日に保有している投資家に分配されますので、CFD取引で売り手となっている投資家はその日はポジションを持たないことでこの支払いを回避することはできます。
一方で、これはデメリットになりますが、買いポジションの場合には金利の支払義務が生じることになります。
続いては「CFD取引のリスク・デメリット」を説明していきます。
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