分散投資とリスク分散
投資にはリスクが付きまといます。「投資とリスク」で説明したとおり、リスクとリターンはお互いが関連しており、高いリターンが欲しいならリスクも抱えることになるわけです。
その一方で、高リスクを抑える方法の一つとして知られているのが「分散投資」という方法です。投資の格言に「すべての卵を一つの駕籠に乗せてはいけない」というものがある通り分散投資は昔から推奨されていました。
近年は現代ポートフォリオ理論という研究によって、分散投資の有効性が立証されています。ここでは、分指投資とそのリスク分散の効果について説明していきます。
分散投資の意義と基本
投資の格言に「一つの籠(カゴ)に全ての卵を盛ってはならない」という言葉があります。これは、一つの籠(投資商品)に全ての卵(資産)を盛っていたら、落としてしまったとき(運用に失敗したとき)、全ての卵が割れてしまう(全資産がなくなってしまう)、という意味がある格言で、分散投資の意義を語る格言です。
そもそも「リスクってなに?」という方は「リスクとは何かを知る」をご一読下さい。
分散投資はリスクを小さくする
分散投資の基本は投資商品を分けてしまう方法です。例えば「株式」「債券」「為替(外貨)」に分散するのも一つの方法です。昔資産の三分法といわれ資産を「土地・株・預金」のみっつに分けるといわれていたのも商品分散の手法といえます。
このように投資商品を分散しておけばどれか一つが駄目になっても(不調でも)ほかの運用がカバーしてくれることがあります。これが商品分散です。もちろん、この中の「株式」であってもさらに複数の銘柄に分散して投資しておけば分散効果を得ることもできます。
また、お互いに反対方向に動く性質がある投資商品に分散投資をすると「期待リターン(平均りたー)は落とさずにリスクだけを小さくすることができる」という特徴があります。
具体的にどういうことかを見ていきましょう。投資商品A、投資商品Bという商品があり、それぞれが好景気、不景気の時に一定割合で元本が変動するとします。それぞれが起こる確率は50%とします。
好景気の時(確率50%) | 不景気の時(確率50%) | |
投資商品A | +10% | -4% |
投資商品B | -3% | +6% |
こういったケースです。
投資商品Aは平均3%の期待リターン。変動幅(リスク)は14%です。一方の投資商品Bは平均3%のリターン。変動幅(リスク)は9%です。
このA,Bの両商品にそれぞれ50%ずつ投資をしたとします。すると運用によるリターンは下記のようになります。
好景気の時(確率50%) | 不景気の時(確率50%) | |
投資商品A+B | 7% | 2% |
平均で4.5%の期待リターン。変動幅(リスク)は5%になります。
このように期待リターンがプラスであり、相関関係が異なる投資商品に分散投資をすると変動幅を抑えることができます。
上記は超簡略化した話で実際にはもっと複雑な計算が行われます。この分散投資によるリスク低減は「平均分散アプローチ」と呼ばれています。
また、このような形で資産を組み合わせる資産配分のことを「アセットアロケーション」と呼びます。
どうやって分散投資をしたらいいの?
方法は様々です。逆相関性のある株式に投資するというのも一つですし、最初の方で書いたように株と債券に分散して投資をするというのも一つです。株と投資信託を組み合わせるという方法もありますね。
具体的な話は「ポートフォリオの組み方と考え方」でも説明しています。
さて次は、分散投資としてもう一つ知っておきたい「時間分散」について説明します。投資をする時期をずらすことでリスクを分散する方法です。
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