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仕組み預金（仕組み定期預金）の特徴とメリット、デメリット
仕組み預金（仕組み定期預金）とは、通常の預金とは異なり、オプションやデリバティブといった高度な金融工学を駆使することにより作られたリスクのある預金です。もちろん、単にリスクが高いだけではなく、その分高いリターンも期待することができる運用商品です。
預金という名前が付いていますが、その内容は複雑で、内容を理解せずに仕組預金に預けてしまい後々、銀行などとトラブルになる事例も多いです。仕組預金の特徴やそれを利用するメリット、デメリットをしっかりと理解した上で利用しましょう。
仕組み預金（仕組み定期預金）のしくみ・リスクとリターン
仕組み預金とは、普通の預金ではなく、預金に対して特別な条項をセットすることにより、通常よりも高い金利を受け取ったりすることができるという預金商品です。
預金とありますが、その条項によっては預金が元本割れするようなケースもあり、多くの方が預金に抱いている考えとは大きく違う点もあります。
ただ、仕組預金と一口に行っても、そのつけられている条項によって商品性は様々です。ここでは、そうした物の中から代表的な仕組預金をピックアップして商品性とそれぞれのメリット、デメリットを見ていきます。
コーラブル定期預金（マルチコーラブル定期預金）
預金期間（満期）について「最長満期」が定められていますが、銀行の都合によって途中で償還となる可能性がある仕組預金です。
たとえば、当初の満期は10年となっているが、3年目からは銀行の判断で1年ごとに解約されるかもしれないという預金です。通常は償還されないごとに預金金利が上がるようになっています。
・SBI新生銀行「パワーステップアップ預金2」
・楽天銀行「アコーディオン」
・住信SBIネット銀行「プレーオフ」
リスクとしては銀行は途中解約ができるが、預金者は途中解約が認められないということ。最長満期が10年という場合、途中でお金が必要になっても、満期を迎えるのを待つほかありません。一般的な定期預金は預金者都合でいつでも解約できるのとは大きく商品性が異なります。
為替レート特約型定期預金・デュアルカレンシー預金
債券におけるEB債のような仕組預金です。
当初定めた為替レートよりも一定以上、円高になった場合には外貨で償還され、円安に進んだ場合は円のまま償還されます。通常の定期預金よりも高い利息が付与されます。
たとえば、今の為替レートが1ドル101円とします。こうした仕組預金は為替レートが1ドル100円（特約レート）を下回った（より円高になった）場合には当該通貨の特約レートで償還されるという預金です。
たとえば、100万円をこうしたタイプの仕組預金に預けたとします。仮に、為替レートが特約レートを下回ることなく推移した場合には円で償還されその上で一定の利息がプラスされて戻ってくることになります。
一方で、為替レートが特約判定日において特約レートを下回った場合には、特約レートで払い戻しが行われます。この場合、100万円を1ドル100円で買うわけですから、満期に戻ってくるのは10000ドル＋利息という形で戻ってきます。
特約レートは、預金時点の基準レートよりも円高の水準となっています。そのため、特約が実行された場合には多くの場合で当初から米ドルに預金をするよりも損をすることになります。
ただし、特約判定日以降に為替レートが円安となり、特約レートを上回って満期を迎えた場合には為替差益が生じます。
・住信SBIネット銀行「コイントス」
やや複雑な仕組預金となります。外貨が絡まっており、為替レートの動向次第では元本割れとなる恐れもあります。
このタイプの仕組預金の特徴は外貨預金をする場合と比べて「通常よりも高い金利を受け取ることができる」という点があります。
また、基準となる為替レートよりも特約判定レートは通常、より円高の水準に指定されているため、「基準レート-特約レート」にあたる部分の円高リスクは負わなくてもいいというのがメリットです。
一方のデメリットとしては「円安になった時の為替差益部分は放棄する」という点が挙げられます。こうした預金は基準レートよりもいくら円安に為替レートが進行したとしても、それによるプラスの恩恵はありません。
コラム：仕組み預金と仕組み債
仕組み預金と類似した商品として、「仕組み債」と呼ばれる債券があります。仕組み債とは、債券の一種ですが、債券に特別なオプション（デリバティブ取引）を付与することで、様々な特徴のある債券を作ることができるというものです。
代表的なものとして「EB債」や「リンク債」などがありますが、こうした債券の場合、仕組み預金と違い、満期まで保有しても元本を下回ることがあると言う点に注意が必要です。
オプションというのは、いわゆるオプション取引です。仕組預金では預金者はいわゆるオプションの売り手となることによって、プレミアム収入を得ることになります。そのプレミアム分が預金として上乗せされているのが仕組預金なのです。
ちなみに、仕組預金が本当に預金者にとってお得かについては判断するのは難しいです。多くの場合、このような複雑な商品は銀行（販売者）にとって有利にできているのが一般的です。多くのケースでかなり手数料を抜かれているはずです。
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