ポートフォリオの組み方と考え方
「投資資金はいくらくらい必要?」というところで、保有する余裕資金のうちどのくらいを投資に回せるかを考えました。次はその資金をどのような投資商品にどうやって配分するのかを決めていく必要があります。
投資資金の配分で考えたいのは、投資資金の目的に応じた配分とポートフォリオ全体のリスクを考える資金配分です。ポートフォリオの組み方と考え方では、この2点から個人投資家がとるべきポートフォリオの形にについて考えていきたいと思います。
ポートフォリオとは?
ポートフォリオ(Portfoloi)とは、自らの資産を分散投資することや投資商品の組み合わせのこと を指します。ポートフォリオ分析は、自分の保有資産がどのように運用状況となっているのかを理解したうえでそのリスク管理に役立てるという手法です。
代表的には現金預金・株式・債券・不動産・投資信託生命保険・外貨といったような各金融商品にどのように資産が配分されているのか?それぞれの投資においても国内株、外国株といったようなアセットクラス(投資対象)ごとの配分を考えたりします。
個人投資家のポートフォリオ構築
個人投資家のポートフォリオについて、まず余裕資金から「投資資金はいくらくらい必要?」でも説明したとおり、現預金として確保しておくべきお金を確保します。
その上で「運用目的(お金の使い道)」と「ポートフォリオ全体のリスク」の二つを考えて運用していく必要があります。金融機関などの投資家は後者だけを考えるのが一般的ですが、私たち個人投資家は「運用目的(お金の使い道)」こそが重要だと思います。
ポートフォリオ全体のリスク
まずは1つ目です。
こちらは投資している対象が極端に偏らないことを意識しましょう。
株式だけとか、不動産だけとかいったように資産が特定の投資対象だけに偏るのは危険です。この点については「分散投資とリスク分散」のところでも説明したかと思います。
具体的な分散の方法ですが。
・投資セクターを分散
株式投資の場合、投資するセクター(業種など)を分散することによりポートフォリオをリスクに強いものに換えることができます。ディフェンシブ株(景気の良し悪しに業績が左右されにくい銘柄)と景気敏感株(景気の良し悪しにより業績が大きく左右される銘柄)に投資を分散しておくというのも株式ポートフォリオを形成する上で一つのポイントともいえま す。
・異なる金融商品(アセットクラス)へ分散
たとえば、株価と債券価格というものは基本的に負の相関関係にある商品同士です(株価が上がれば債券価格は下落し、株価が下がれば債券価格は上昇する)。つまり、株 式と債券を両方保有しておけば、どちらかが下がってもどちらかが上がるというようにリスクの分散ができた運用となるわけです。
といったことが挙げられます。詳しく書くと何十ページにもなりますのでここら辺で留めておきます。大切なのは投資対象を分散することですね。
運用目的(お金の使い道)から運用方法、期間を考える
2つ目です。
私は個人投資家という立場から考えるとこの点はとても重要な点だと思っています。
老後資金、マイホームの頭金、子供の学費、欲しいものを買うための、など色々なものがあるかと思います。投資をするときはその目的(お金の使い道)に応じて、投資を考える必要があります。
もちろん、目的はないという方もいるかもしれません。
使う予定も何もないけど、余剰資金があるから投資したい。というケースもあるかもしれません。それはそれでも結構です。そういった性質のお金ももちろんあるでしょう。
ちょっと古いデータですが、投資信託協会が2004年に行った投資信託購入理由調査では日本人のトップは目的はない(48%)という結果で特に目的や目標を定めずに投資をしていることが分かります。
一方の米国人のケースでは老後資金(73%)というように投資を自分の老後のためや家族の教育資金などしっかりと決めており、目的なしという回答はなかったそうです。
米国が優れているとはいいませんが、目標をあらかじめ設定しておくことで、投資期間、取ることができるリスクの大きさなどに目安がついてきます。
目的ごとの運用期間やとれるリスクの種類や大きさ
投資目的を決めることで、色々と方針が固まってきます。
1年単位の短期資金(不慮の支出に備える)
流動性重視。リスクを取ることには適していない。定期預金や短期の債券のようなローリスクローリターン型の投資が向く。
5年〜10年程度の運用資金(教育資金・マイホーム頭金など)
極端なリスクはとれませんが、使う時期が決まっているのなら少し長めの期間の債券(国債)なども投資可能です。
超長期の資金(老後資金など)
数10年単位での運用がとれるなら、短期的な変動リスクはあっても、長期的に高いリターンが見込める株式投資や投資信託などで積極運用が可能。
換金の必要性がない資金
現金にする必要がないというほどの余裕資金については、リスクヘッジのために円以外の資産として保有したり、不動産、貴金属などの投資も検討できます。
それでは実際に将来のためにどのくらいのお金が必要なのか?ということを考えるには人生の計画とそれぞれで必要なお金のことを考えるのが大切です。当サイトの節約ガイドで「ライフステージとマネープラン」というコンテンツがありますのでそちらもぜひ参考にしてみて下さい。
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