ベンチマークの罠
投資信託においては通常「ベンチマーク」という目標が設定されています。投資信託(ファンド)はこのベンチマークの水準を目標に投資信託を運用していきます。ただし、このベンチマークという考え方には一つ問題があります。ここではその問題を提起していきます。
ベンチマークの決まり方と達成
さて、あなたはA投資信託という株式等信託に投資をしました。ベンチマークは日経平均でアクティブ型の投資信託と仮定します。あなたがA投資信託に投資している間、日経平均は12000円から10000円にまで下げました。あなたの投資信託は100万円で購入したものが85万円にまで下落してしまいました。でも、あなたが購入したこの「A投資信託」の成績についてファンドマネージャーは「よく頑張ったね」とほめてもらえるのです。
実は、日経平均をベンチマークとした場合、このA投資信託は日経平均の下落率よりも低い下落率に収まったからです。つまり「ベンチマークよりも高い収益を上げる」というA投資信託の目的自体は達成できているのです。納得できないかもしれませんが、投資信託におけるベンチマーク仕組はそうなのです。
パッシブ型とアクティブ型
投資信託には通常「ベンチマーク」と呼ばれる目標があります。代表例は日経平均です。そのファンドの上昇率が日経平均の動きに対してどの程度勝てるのか?ということをファンドマネージャーは意識しています。
そして、そのベンチマーク(通常日経平均やトピックス)と同じ成績を上げる事を目的とするファンドのことを「パッシブ型」逆に、それ以上の成績を上げる事を目的とするものを「アクティブ型」といいます。例えば、前述のETFは日経平均と同じ動きをするように作られたものですから、パッシブ型に、逆にシュローダーやフィデリティと言ったファンドマネージャーが運用するものはアクティブ型です。
では、どちらの方がいいのか?ということですが、それは一概には言えません。そりゃあ、プロが運用するほうがいいに決まってるじゃないか!とお思いの方はちょっと考えてみてください。
例えばETFの場合、日経平均に組み入れられている銘柄を機械的に購入するだけですからコストはほとんど掛かりません。しかし、アクティブ型の投資信託の場合、プロが運用するわけですから、そのプロに対して報酬(手数料)を支払う必要があります。つまり手数料が割高になります。
その分、アクティブ型はさらなる成績を上げねばなりません。どちらが良いかは皆さんの判断次第ですが、投資信託はもともとリスク分散の為の商品であるため、現物株のリターンを超えることは原則無理です。あくまでも分散投資によるリスク分散が基本であることは認識しておきましょう。
Yahoo!ファイナンスなどには投資信託のリターンランキングなどが掲載されているので、参考にされるのも良いと思います。ただし、これはあくまで過去の成績です。今後の成績を左右するものでは有りません。
また、アクティブ型の投資信託には、様々種類の投資信託があり、例えば「バイオ関係」に対して投資する投資信託や「IT関連」に対して投資する投資信託、「福祉関連」に対して投資する投資信託、「中国やインド」に対して投資する投資信託など様々な種類の投資信託が存在します。
また、最近はベンチマークが存在しない「絶対収益型」(かならず儲かるというわけではない)の投資信託というものも存在します(ヘッジファンドなど)絶対収益型とは、トピックスなどを目標とするのではなく、常にプラスのリターンを目指す投資信託です。なお、あくまでも目指すだけです。元本保証が行われる投資信託というわけではありませんので注意してください。
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