配当と株価の関係とは
さて、理論株価の計算と言うところですが、ここでは、「配当利回りモデル」というものを利用して理論株価を算出しましょう。
定額配当モデル
これは、常に一定の配当が行われると仮定した際の株価の理論価値です。ここでは、安定配当をしている東京電力(9501)で計算してみます。
定額配当モデルにおいて株価は配当金額÷割引率で計算します。ここでの割引率とは、様々な金利概念から決定されますが、市中金利からも大きな影響を受けます。単純に無リスク資産の運用益というわけではありません。
配当は60円ですから
仮に割引率を5%とすると、1200円
割引率を2%とすると、3000円になります。
実際の株価は2460円です。実際には定額配当モデルの場合割引率に大きな影響を受けます。また、当該企業は永遠に60円の配当をするというのが前提となっており、成長による増配は考えない事になります。
実務上で、定額配当モデルなどは役に立ちませんが、一つの大きな示唆を与えます。それは株価の決定要因に割引率という金利概念が存在し、それが市中金利から大きな影響を受けると言う事です。
単純に今の市中金利は0%で、将来金利が上昇するとしたら、この割引率は将来大きくなります。
式でも算出していますが、割引率2%の場合理論株価は3000円ですが、この割引率が5%に上昇すると、理論株価は1200円にまで下落しています。
ということは、金利上昇することにより株価については下方圧力が生じるということが理解できます。つまり、金利上昇局面では金利増加は株価に対してマイナスのインパクトを与える事になります。
これが、金利が上昇すると株価が下落するという市場の常識の数学的な見地となります。
※(金利が上昇する=債券価格の下落) |