日本経済破綻について
日本経済って回復基調にあるとかどうとかニュースに出ているけれど、本当に大丈夫なのか?という点において、今回はあえて、最悪の場合を想定して日本経済の破綻イメージを考察していきます。まず、日本政府の債務状況ですが、債務総額は地方も合わせて770兆円を超えています。現在の10年国債の金利は年利1.3%ですから、単純に考えて、年間で10兆円以上の利払い費用が必要になっています。
対して、日本政府の税収については、ざっくりで政府40兆円、地方政府30兆円です。ということは、収入の14%以上を借金の返済にまわしているというのが、現状です。
ただ、現在は歴史的な低利水準にあることはご存知だと思います。長期金利が1.3%というのは超がつくほどの歴史的低水準です。
しかし、現在その超低金利に対しても多少の上向き感がみられつつあります。一部の機関等で金利上昇の動きが見られ、これまで、日本を縛ってきたデフレーションも影を潜めつつあります。
仮に米国並みの長期金利が4%にまで上昇した場合、利払いは30兆円にも達します。つまり、税収のほとんどを借金の「金利支払い」に当てなくてはならない状態が訪れます。
また、このような状態に陥り、日本政府に対する信頼が揺らいだ時、「国債の信用リスク」が意識されはじめます。信用リスクが意識され始めると、国債をこれまで安全資産として積極的に購入してきた機関投資家などが、国債から手を引き始めます。すると、国債価格は下落します(つまり、国債利回りの上昇)
この負のスパイラルに陥るとさらなる国債金利が上昇し、利払いが増えて、信用リスクが上昇、金利上昇といった感じになります。
もう一つのリスクとして、上記とも関連しますが、財政状況を考えると、今後の日本の財政支出は増加する可能性が非常に高いです。
試算によると、現在の歳出は100兆円ですが、2008年には140兆円にも達するといわれます。税収が伸びないと仮定した場合、歳出の増加分は借金で補う形になります。すると、新たな国債の発行という必要がでてきますが、その消化能力が機関投資家や家計に余裕がないという状態が訪れるというリスクです。
仮に消化能力を超過する国債が発行された場合、「金利をあげる」ことによる需要創造しかありえません。すると、上記でも記載したように利払いの増加→・・・。というようなスパイラルに陥り日本経済が破綻するというリスクがでてきます。
もちろん、今回の内容については日本国内での話であり、日本国債の信用リスクはほとんど現在意識されていません。また、日本の対外純資産については大幅な超過水準にあり、あくまで、家計内でのお金の貸し借りとほぼ同様の考え方になります。
破綻したアルゼンチンなどとは単純比較はできません。
ただし、考えて欲しいのは国内の財政状況は非常に悪いという事実です。ただし、まだ時間がある。というだけです。再生を目指すのであれば、それを打開する為の時間があります。年金制度にしても社会保障にしても、改革を謳っている割には既得権益に妨げられ小手先の変更に過ぎない状態だと思います。
現状を脱却するには、大規模な形での改革が必要不可欠だと考えます。もしくは、大幅なインフレが必要です。
そうなった際の対応をそれぞれしておく必要があるでしょう。
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