株式市場と債券市場の相関性
2005年06月26日
株式市場と債券市場の関係は非常に密接ですので、ここで一度整理しておきます。株価と債券価格(長期金利)の関係を理解するにはまず、債券の金利はどのようにして変動しているのかを知ってもらう必要があります。
長期金利は国債の利回りから計算される仕組みになっていますが、金利が取引されているわけではなく、既に発行されている長期国債がいくらで取引されているか?ということで決定します。
例えば、10年満期の長期国債でクーポン(金利)が1.5%があるとします。
これが、額面価格(100円)で取引されていると長期金利は1.5%となります。
しかし、これが98円で取引される(債券価格の下落)と長期金利は1.5÷0.98=1.53%になります(長期金利の上昇)。
逆に102円で取引される(債券価格の上昇)と長期金利は1.5÷1.02=1.47%になります(長期金利の下落)。
さて、ではこの債券価格が上下する事が株式市場にどのような影響を与えるかという事ですが、大きく二つの影響があります。
まずは、投資対象側への視点では企業の金利負担の上下。
債券価格の上昇(金利の下落)は企業の資金調達を容易にし、負債の金利負担が下落します。よってプラス要因として作用します。
もう一つは、投資家側の視点では、債券価格の上昇(金利の下落)は債券保有者の資金余力が増加することから株式に資金が向かいやすいという面と、機関投資家などが株式購入の為の資金調達が容易になり、株式購入余力が増加する事が原因の一つになります。さらに、金利下落により債券保有意欲が減退する事になり、資金が当市に向かいやすくなるという影響も有ります。
また、超低金利状態では、過剰流動性相場となりやすくなります。過剰流動性相場とはちょっと御幣もありますが、カネ余りの状態からマネーゲームに近い相場を形成しやすい状態で新興市場などに資金が流入しやすい状態の事をいいます。 |