個人投資家にとって社債投資は実はハイリスクな投資
日銀の異次元金融緩和は市場金利の低下をもたらしています。結果として預金や国債といった安定的な運用をしている人にとっては収益率が大きく減少する結果となっています。実際のところ「個人向け国債」なんて投資する価値がないほどに金利が下がっています。
そうした中で注目されているのが社債への投資。個人向け社債などといって色々な会社が社債を発行しています。中には金利が高めに運用できる債券もあり、ローリスクで運用するには良いかなと思えるものもあります。でもちょっと注意が必要です。
個別銘柄社債への投資リスクは高い
社債は、発行会社が破綻しない限りは元本+利息が約束された運用商品です。
そのため一見安心できるように見えます。株や投資信託などと比べても低リスクな運用商品だと考えている方も多いかもしれません。
ただ、私たちは「大手企業でも倒産することはある」ということを忘れてはいけません。
過去で言えばマイカル、エルピーダメモリ、JALといったような大企業であっても倒産しています。海外でもエンロンの破綻などは大きな影響が出ました。
そして社債などは破綻した場合には多くが戻ってこないリスクがあるのです。
わずかなのリターン向上の為に信用リスクを取るのか?
もちろん、発行される社債の中には有利なものも確かにあります。
個人的にも「SBI債」のような債券は満期が短い割に利回りが高いと思いますし、一部の債券は私自身も購入しています。
参考:SBI債とは何か?
なお、SBI債は「SBI証券」を通じてのみ購入することができます。
ただし、それは全体的なポートフォリオの中で許容できる範囲とするべきです。一つの債券に資産の大半を預けるようなことは避けるべきです。
どうしても債券に投資をしたいのであれば、複数の債券にリスクが分散された「債券型の投資信託」などに投資をする方が、1社の破綻リスクを分散することができるため、リスクを低減することができます。
なお、債券投資をするときには長期の信用格付けなどを参考にすることが多いと思いますが、長期になるとアテにならないこともありますので注意です。
たとえば2010年に破綻した消費者金融大手の武富士は2009年8月に投機的水準に格下げされてから1年とちょっとしかもちませんでした。過払い金問題という特殊要因はあったにせよ急速に業績が悪化することはありえます。
私は債券(社債)に投資をするときは1年ないし長くても2年くらいまでの期間ぐらいでしか保有を考えないようにしています。
コラム一覧
専門用語についてはできるだけ解説を加えながら株式投資や経済について管理人が感じた事をコラムにしていきます。
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2015年06月23日「大手証券会社のファンドラップに投資価値はあるか?」
2015年05月08日「個人投資家にとって社債投資は実はハイリスクな投資」
2015年05月01日「普段から使う銀行の残高はギリギリを維持するべき理由」
2014年06月30日「外貨預金(外貨投資)のリスクと期待収益率」
2014年05月27日「物価上昇と運用利回りの差による実質的な資産の目減り」
2014年02月10日「投資信託を銀行や証券会社の窓口で買うメリット、デメリット」
2007年06月07日「ゴールドマンサックス証券によるテイク&ギヴニーズのレーティング」
2007年03月28日「株式譲渡益と控除」
2006年02月13日「証券会社のレーティングとモラルハザード」
2005年08月08日「高格付企業の株価は上がる?」
2005年07月12日「ゼロサムゲーム」
2005年06月26日「株価と債券の関係」
2005年06月17日「グローバルソブリン」
2005年05月03日「高配当銘柄と株価」
2005年04月17日「対面証券とネット証券の行く末」
2005年03月27日「ペイオフについて」
2005年03月15日「個人向け国債の魅力」
2005年03月02日「ライブドアとニッポン放送」
2005年02月18日「名目金利と実質金利」
2005年02月05日「日本経済破綻イメージ」
2005年01月30日「配当と株価の関係」
2005年01月04日「特約付外貨預金」
2004年12月06日「ドル安の進行について」
2004年11月23日「CSR(道徳)かバイス(悪徳)か?」
2004年11月06日「松井証券が儲かる理由」
2004年10月24日「毎月分配型投資信託はホントにお得?」
2004年10月17日「IPO(新規公開株)ブーム」
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