物価上昇による実質的な資産の目減りに注意!
消費者物価指数が上昇してきています。物価が上昇するということは、それだけ100円で買える物が少なくなるということです。物価上昇下では、今年の100万円よりも来年の100万円の価値の方が少なくなります。同じであった場合は「実質的な目減り」を起こしていることになるわけです。
物価上昇率と運用利回りの差
2013年12月の消費者物価指数は前年同月比で1.6%の伸びとなりました。
その一方で長期金利(10年物の国債金利)は0.6%でした。
ということは物価の伸びよりも安定して運用できる運用利回りの方が下という状況になるわけです。こうした状況下では、何もしないでいると実質的に資産は目減りしてしまいます。
アベノミクスによる量的・質的緩和はこうした金利上昇を抑える形をとっているため、このようなひずみが生まれていまうわけです。
2014年の4月には消費税率の上昇もあって、税率分の物価上昇がおこることでさらなる差が生じてしまうことになります。
じゃあ、どうすればよいのか?
基本的に「金利水準」は今後も抑えられることが想定されます。こうした金利に影響を受けるのは「国債」や「債券」や「定期預金」などの運用商品です。
こうした金融商品は市場金利に合わせて金利が設定されます。そのため、市場金利が制作によって低く抑えられている状態では高い利回りでの運用は期待できません。
一方でこうした金利水準の影響を受けにくいのは株や外貨が挙げられます。
株はそもそもインフレに強いと言われる資産で極端でなければインフレに応じて株価が上昇しやすいからです。
また、外貨に関してもインフレが加速する際には通貨安も同時に引き起こされることが多いため一定の外貨を保有しておくことはインフレリスクに対応するために有効な手段と言えるでしょう。
特に、インフレ対策を考えるべき世代は「退職者」です。
現役世代については多少インフレが進んだとしても給与の上昇などによってリスクを吸収することができます。
その一方で現役を退いた世代についてはこうした「インフレ率>運用利回り」となると実質的な資産の減少が大きくなります。
退職世代に関してはある程度の資産を「株」や「外貨」などに振り分けてインフレ対策をとっておくことも重要な要素と言えるでしょう。
株や外貨などの投資は苦手という方はどうするべき?
株などの投資はどうしても好きになれないというのであれば、定期預金などは「なるべく短期のもの」に預けるのがお勧めです。
定期預金は「固定金利」で運用されるため、将来金利が上昇してもその恩恵を受けることができません。そのため、将来的にインフレが予想されているにもかかわらず金利水準が低い現時点では「3カ月満期」のような短期の定期預金をぐるぐる回して様子見をするのがお勧めです。
短期の定期預金金利のランキング情報については「定期預金金利ランキング」もご参照ください。
逆にこうした状況は「お金を借りる」のは有利
物価上昇に反して金利が安く抑えられているとかきました。
これは「運用」という面で考えると不利ですが、「ローン」という面で見れば逆に有利です。
代表的なものに「住宅ローン」が挙げられます。
現在の35年固定金利(2014年6月)は2%を下回る金利水準です。こうした超低コストでお金を借りれるというのは有利な状況です。
コラム一覧
専門用語についてはできるだけ解説を加えながら株式投資や経済について管理人が感じた事をコラムにしていきます。
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