大手証券会社のファンドラップに投資価値はあるか?
最近の大手証券会社が最も力を入れている投資商品は「ファンドラップ」と呼ばれる運用商品です。ファンドラップとは、ラップ口座の一種で投資を証券会社に一任するという運用方法です。売買の手数料は無料になりますが、その代わりに預ける残高に応じた管理費を証券会社に支払います。
通常のラップ口座は様々な資産に投資をするのですが、ファンドラップはその簡易版で、「投資信託」への投資のみを行うラップ口座となります。
投資家の運用方針に基づいて証券会社(の運用者)が預かった資産を複数のファンドに分散して投資をするというものです。
投資信託での分散投資なら個人でも比較的簡単にできる
こうしたファンドラップ、数100万円程度からスタートできるということで主に中高年に人気ということです。証券会社としても残高に対して安定的なフィー(手数料)が取れるとして、拡大に意欲を見せています。
ただ、投資家として考えた時、この商品そこまで魅力的と言えない状況の用にも見えます。
理由はやはり手数料。
そもそも、インデックスファンドの場合、近年は多くがノーロード(販売手数料無料)で買えます。ファンドラップの手数料が無料と言うことが全くメリットになっていません。
一方の投資信託の保有コストである信託報酬(運用経費)はタダになりません。むしろ、ファンドラップの管理手数料が上乗せされることになるので運用維持にかかわるコストが大きくなるわけです。
近年では、「セゾン・バンガードグローバルバランスファンド」のように低コストで世界中の株や債券に分散投資できるファンドもあるわけで、わざわざファンドラップ経由で投資をするメリットが感じられません。
オーダーメイドの投資を!というのがキャッチコピーになっていますが、運用自体はかなり機械的で単純です。投資信託の為に投資信託を買うみたいな運用にすぎないと判断しており、あまりお勧めできません。
コラム一覧
専門用語についてはできるだけ解説を加えながら株式投資や経済について管理人が感じた事をコラムにしていきます。
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2015年06月23日「大手証券会社のファンドラップに投資価値はあるか?」
2015年05月08日「個人投資家にとって社債投資は実はハイリスクな投資」
2015年05月01日「普段から使う銀行の残高はギリギリを維持するべき理由」
2014年06月30日「外貨預金(外貨投資)のリスクと期待収益率」
2014年05月27日「物価上昇と運用利回りの差による実質的な資産の目減り」
2014年02月10日「投資信託を銀行や証券会社の窓口で買うメリット、デメリット」
2007年06月07日「ゴールドマンサックス証券によるテイク&ギヴニーズのレーティング」
2007年03月28日「株式譲渡益と控除」
2006年02月13日「証券会社のレーティングとモラルハザード」
2005年08月08日「高格付企業の株価は上がる?」
2005年07月12日「ゼロサムゲーム」
2005年06月26日「株価と債券の関係」
2005年06月17日「グローバルソブリン」
2005年05月03日「高配当銘柄と株価」
2005年04月17日「対面証券とネット証券の行く末」
2005年03月27日「ペイオフについて」
2005年03月15日「個人向け国債の魅力」
2005年03月02日「ライブドアとニッポン放送」
2005年02月18日「名目金利と実質金利」
2005年02月05日「日本経済破綻イメージ」
2005年01月30日「配当と株価の関係」
2005年01月04日「特約付外貨預金」
2004年12月06日「ドル安の進行について」
2004年11月23日「CSR(道徳)かバイス(悪徳)か?」
2004年11月06日「松井証券が儲かる理由」
2004年10月24日「毎月分配型投資信託はホントにお得?」
2004年10月17日「IPO(新規公開株)ブーム」
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