投資の税金を節税するNISAとiDeCoの活用法
投資に対する税金を合法的に節税することができる制度として代表的なものがNISA(小額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)です。この二つは投資による利益を非課税とすることができます。
上手に活用すれば資産形成のスピードアップが図れます。
投資の税金が非課税になれば資産形成スピードは大幅アップ
投資の税金、運用益の20%(+復興特別所得税)がかかるようになっています。この税率高いと思いますか?低いと思いますか?
考えはいろいろかと思いますが、投資によって資産運用、資産形成を考えるのであれば、この投資の税金は大きな問題です。
例)20%の課税(毎年)が年利5%の資産運用に与える影響
以下では1000万円を年利5%で運用したときの資産の推移をグラフにしたものです。
青の線は税金が非課税だった場合、オレンジの線は毎年利益に対して20%の課税が行われた場合の資産推移グラフです。
年が経つほどに差が大きくなっていくのがわかりますね。これは利回りの差が生み出す「複利効果」です。長期投資を前提とするのであれば、特に税金がかかるかからないは大きな差となります。
言い換えると運用益を何らかの形で非課税にできれば投資のリターンを大幅にアップできるとも言えるわけです。税率20%なら約25%の運用利回り改善となります。
そんな投資の運用益を非課税とできる制度があります。NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)です。
NISAとiDeCoという二つの節税投資
NISA(小額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)は現在日本で利用できる二つの投資に関する非課税制度です。
前述のように投資の運用益が非課税となるので、通常の投資をするよりも有利に運用することが可能です。
ただ、この二つの制度、どちらを利用すればいいのかわからないという方が多いはずです。まずはこの二つの制度の違いを紹介していきます。
それぞれは別の制度なので併用することも可能ですが、特長や資金の用途が異なるので自分に合ったものを選択するようにしましょう。
個人型確定拠出年金 (iDeCo) |
少額投資非課税制度 (NISA) |
|
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投資対象商品 | 投資信託 定期預金 保険 など |
投資信託(つみたてNISAは投信のみ) ETF 個別株式 |
投資可能期間 | 60歳まで ただし、運用だけなら10年の延長が可能 |
5年間(通常NISA) 20年間(つみたてNISA) |
投資上限額 | 毎月5,000円〜68,000円 ただし、加入している公的年金・企業年金によって上限額は異なる |
年間120万円(通常NISA) 年間40万円まで(つみたてNISA) |
節税 | 掛金が所得控除(所得税節税) 運用益は非課税 |
運用で得た利益が非課税 |
投資商品の売却 | いつでも可能で、他の投資商品への乗り換えも可能 | 自由に売却できるが、売却しても非課税枠は復活しない |
資金の引き出し | 原則60歳以上 | いつでも可能。ただし、売却した場合の非課税枠は回復しない。 |
運用コスト | 必要 国民年金基金連合会手数料:103円 事務委託金融機関手数料:64円 運営管理機関手数料:無料〜450円程度 |
不要 |
いずれも特徴的(強み)と言える部分を太字にしています。
iDeCoの強みは所得控除、弱さは資金の固定化
まず、iDeCo(イデコ)の強みは運用益に関する節税だけでなく所得税に対する節税にもなる点が大きいです。掛金が所得控除されるため、実質的に掛金×税率分だけ所得税(住民税)の節税となります。
年収が大きな人ほど高い税率を払っているので、そういう方はiDeCoの方が税メリットは大きくなります。
一方で60歳以上にならないと受け取ることができず途中解約もできないというのは大きなデメリットです。あくまでも老後のための資金となります。
また、開始時の手続きがやや煩雑(勤務先などにも確認が必要)な点や運用において年間で2000円程度の運用コストがかかる点もデメリットです。「個人型確定拠出年金は小額の掛け金だと手数料でマイナス運用」でも指摘していますが、小額投資の場合コスト負けすることもあります。
NISAの強みはその手軽さ、一方で税メリットはiDeCoに劣る
続いてのNISA、つみたてNISAの場合、手軽に始めることができる点がメリットです。証券会社に口座開設をするだけで実質的に利用可能です。また、いつでも投資資金を売却して引き出して使うことができるという流動性の高さも魅力です。
運用時にiDeCoのようなコストがかからない点も強みといます。
一方で、所得控除はなく、あくまでも運用益非課税だけなので税メリットはiDeCoに劣ります。
iDeCoとNISAの始め方
どちらも証券会社を通じて口座を開設して運用することができます。
投資は初めてというのであれば、iDeCoよりはNISAの方が手軽にはじめることができますので、そちらをお勧めします。
以下の記事ではそれぞれiDeCoやNISAを始めるにあたってのおすすめの証券会社(金融機関)の選び方を解説しています。
資金の性質的に、老後の資金の運用ならiDeCoがよくて、その前に使う予定の資金であればNISAの方が向いているといえそうです。
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