株式の売買で利益が出た場合、税金を納める必要があります。ですが、損が出る場合もありますよね。年間を通じて損失が発生した年は確定申告をする必要はないのですが、ここで損失が出た旨を確定申告しておくと、当年度の損失を翌3年にわたって繰り越す事ができるのです。

例えば、今年100万円の損が出て、来年100万円の利益が出た場合、通常ですと、初年度の税金0円、来年の税金10万円(100万円×10%)となるのですが、損失が出た年に確定申告をしておくとその分が繰り越されて、来年の税金が(100万円-100万円)×10%となり、0円となるのです。

また、この制度は3年間にわたって繰り越しが可能ですが、その間が途切れてしまうと利用できません。

  1年目 2年目 3年目 4年目
損益
-100万円
(要申告)
取引なし
(要申告)
+50万円
(要申告)
取引なし
損失繰越額
-100万円
-100万円
-50万円
申告は不要。1年目損失の残り50万円を引き継げない

つまり、2年目のところでは、一切取引をしていませんが、「要申告」となっています。これは繰越控除を受けるにあたっては、連続して申告をする必要があるからです。
また、当然ですが1年目に100万円の損失がでたことを申告しておかないとこの損失の繰越自体が不可能です。

4年目に関しては、損失を繰越できるのは3年間ですので、それ以降は最初の100万円の損失繰越はできません。ただし、2年目にも取引をしており、そこでマイナスがでていた場合は、その2年目の損失額のみ繰越ができます。

※この損失の繰越は証券会社で源泉分離を選択していると利用できません。当損失の繰越制度を利用される場合は必ず「申告分離」を選択しておいてください。または、源泉分離制度を利用している場合でも確定申告を行うことでこの特例を受ける事ができます。