保険は損をする。保険は必要最小限に入るのが原則
保険は金融商品の一つですが、預金や株式、債券などと違い、「基本的に損をする」ことになっている商品です。それは保険というものが「助け合い」の商品であり、リスクをみなで負担しあうという性質があるためです。実際には運用のために保険会社の事務経費がかかるためどうしても期待値はマイナスとなってしまうのです。
期待値では損とはどういうことなのか?
「保険料のしくみ」のところで保険料は「危険保険料」「付加保険料」「貯蓄保険料」の三つに分けられると書きました。それぞれをざっくり説明すると下記のような意味合いとなります。
危険保険料
・・・加入者全員で支えあう危険負担に当たる部分。この危険保険料を事故が起きた時の保険金に充てる。
付加保険料
・・・保険会社の取り分、経費。
貯蓄保険料
・・・将来のための保険料。終身保険や養老保険などの貯蓄部分。
「危険保険料」「付加保険料」「貯蓄保険料」の合計が保険契約者(加入者)が負担する保険料の総額となります。
つまり、保険料の算定において「付加保険料」が入っているということはその分だけ加入者が受けとれる保険金は小さくなるわけです。
じゃあ、その付加保険料って保険料のどの程度を占めると思いますか?
2%くらい?、いや5%くらい?いいえ。実は20〜50%以上なんです。
そもそもこの保険料における付加保険料。ほとんどの生命保険会社は公開していません。
これを、2008年にライフネット生命という保険会社が公開しました。これによると、定期保険のケースだと年齢によっても違いますが、付加保険料は20%〜50%にもなっているのです。
つまり、2割〜5割くらいが手数料ということになるわけです。
その残りが契約者に保険金や満期保険金として支払われているわけです。こう考えると保険というのは加入した時点で大損することが確定している金融商品ということになります。
ちなみに、この数字ライフネット生命というネット専門保険会社が出した数字です。証券会社や銀行と同じように手数料などはネットの方が安いとかんがえるとすれば、大手の生命保険会社などはよりたくさんの手数料をとっているということは容易に想像できます。
つまり、保険は損をする商品なんです(断言)。
でも、貯蓄系の保険もあるじゃん!という声も伺いますが、これにもカラクリがあります。詳しくは「貯蓄系の保険は本当に有利なのか?」でも説明しますが、ポイントは「途中解約リスク」や「インフレリスク」などのいくつかのリスクも存在しています。
生命保険を否定するわけではない
だからといって生命保険や医療保険というものが保険会社が暴利をむさぼるもので許し難いそんざいであるというわけではありません。
万が一のリスクについては個人レベルでは到底負うことができないものが多いです。
そのような大きなリスクをカバーするために保険は必要な金融商品です。
ただし、基本的には損をするというだけです。じゃあ、どうすればいいのか?どうしても負えないリスクをもっとも少ないレベルでカバーするような形で保険加入するというのがベストです。
たとえば、死亡保障にしても、遺族がゆっくり暮らせる金額ではなく、どうしても必要な子どもの教育のためのお金で残りは遺族が何とかするというのが原則だと思います。
生命保険についての知識を自分で身につけ、それを使って賢く生命保険を見直すためのアドバイスサイトです。保険の基礎から、見直しの方法、そもそも保険が必要なのかなどを分かりやすく解説しています。 |