保険における保険料の決まり方
保険に加入する際、必ず「保険料」というものを支払う必要があります。それでは、この保険料というものは、どのようにして計算されたものであるのかということを分かりやすく解説していきます。
基本的には「リスクの発生する確率×保険金」によって決定します。
保険料と保険金の関係性
保険料は「保険のしくみ」で解説したように基本的にはその人が保険の対象となるある出来事(保険事故といいます)を引き起こすリスクの大きさとそれによりもらえる保険金(保険事故が起こった場合に保険会社から給付されるお金)の額により決定します。
仮に、3000万円の生命保険に加入しており、貴方の1年の死亡リスクが0.5%だとします。この場合の保険料は3000万円×0.5%=150,000円/年と計算することができます。
このように、保険料というものは原則として保険金×保険事故のリスクにより計算されます。基本的にはこのルールとなります。
実際にはこれだけでなく、「保険会社の事務費用等」がかかります。
大数の法則と保険料
さて、実際の現場においてですが、保険会社では、死亡率や事故率などを膨大な事故や死亡のサンプルデータを下に確率計算をしています。確率論においてはサンプル数が増えるとその確率の精度が高くなることがわかっています。この法則を「大数の法則」とよびます。
生命保険会社や損害保険会社はこうした大数の法則により死亡や事故、病気や怪我などが起こるリスクを計算しているのです。
最近流行のリスク細分型の保険というのは、事故率に応じて保険商品を区分し、それに応じた保険料金を適用するというものです。例えばタバコを吸う人と吸わない人とでは、死亡率が異なることから、吸う人と比較して吸わない人の保険料を引き下げる「ノンスモーカー保険」などは、タバコを吸わない人は統計的に長生きするから(事故率が低いから)保険料金を割り引きしよう。という合理的な保険です。逆に、ノンスモーカー特典のようなものが無い生命保険の場合、ノンスモーカーの方は、タバコを吸う人の保険料の分まで支払っている事になるのです。このように、自分のリスクに合った保険料に設定されている保険を選ぶということが大切です。
例えば、80歳の男性が死亡する確率を一年で10%。そして死亡時の保険金を1000万円とし、80歳の男性100人がこの保険に加入しているとします。さらに、年間に経費100万円が必要だと仮定します。この際の保険料はいくらになるかというと、計算上、100人の加入者の内10人が死亡します。すると、支払い保険金は1億円になります。という事は、この保険会社の支払い額は1億100万円です。この予見される支払い保険料に見合う保険料を徴収します。つまり、一人あたり101万円を年初に徴収すれば、この保険は成立するわけです。
逆に、20歳の男性が死亡する確率は80歳のそれと比較して、確率ははるかに低いはずです。例えば、死亡率がその100分の1と仮定すると、支払い保険金は100万円ですみますから、一人あたりの保険料は1万100円で済むわけです。
ここで重要な事は「保険料は事故率に応じて決められる」という事です。別に難しいことではありませんよね?
保険料の中身を見てみよう
では、具体的な保険料の決まり方とはどのようになっているのでしょうか?
保険料は大きく「危険保険料」「付加保険料」「貯蓄保険料」の三つで構成されています。
危険保険料とは、その名前の通り被保険者(保険の対象となる人)のリスクに対する保険料となり、保険料の基本部分となります(上記で説明したのはこの部分)。
次に「付加保険料」とは要するに保険会社の事務手数料や人件費などを負担する部分となります。
最後に「貯蓄保険料」とは終身保険や養老保険などのように、保険期間満了後も保証が続くものや、満了時(満期時)に満期保険金がもらえるような保険の場合の積み立て部分に該当する保険料となります。
生命保険の保険料
生命保険の場合、リスク計算も「単年度」ではなく、加入期間(契約期間)で平均することによって決まります。また、終身保険や養老保険などのように「貯蓄性」がある保険の場合はその分の「積立金」も保険料として加算されます。
また、近年では保険も細分化されており、喫煙の有無、健康状態なども考慮され、リスクが低い人は保険料が安く、リスクが高い人は保険料が高くなるような仕組みも取り入れられています。
自動車保険の保険料
自動車保険の場合は原則として単年度の契約となります。運転者の過去の保険の使用件数、車両ごとのリスクなどが加味されて、保険料が多少上下します。
近年では、特に「過去の事故の有無」によって保険料が大きく動くようになっています。
生命保険についての知識を自分で身につけ、それを使って賢く生命保険を見直すためのアドバイスサイトです。保険の基礎から、見直しの方法、そもそも保険が必要なのかなどを分かりやすく解説しています。 |