若い時に保険に入るほど得をするというのは本当か?
生命保険のセールストーク(勧誘)において若い時に保険に入っておけば、保険料が安くなるのでその分お得!と言われることがあります。これは単年度で見ればそうですが、トータルで見れば決して安くはなりません。また、最近の保険の多くは「更新型」ですのでそのメリットも薄いのです。
保険料の仕組みを理解しましょう
若い時は確率的に死亡する可能性が低いため、同じ保険金の保険であっても保険料は安くなります。これは生命保険会社が利用している統計表(生保標準生命表)にも出ています。
2007年統計における死亡率は年齢ごとに下記のようになっています。
年齢 | 死亡率 |
20歳 | 0.00084 |
30歳 | 0.00086 |
40歳 | 0.00148 |
50歳 | 0.00365 |
60歳 | 0.00834 |
70歳 | 0.02193 |
20歳と50歳とでは死亡率に4倍以上の差があります。
当然ですが、生命保険の保険料(危険保険料)はリスクに応じて上昇しますので、20歳の保険料よりも50歳の保険料の方が高くなります。
(参考:保険における保険料の決まり方)
若い人ほど保険料が安くなるというのはどういう意味で使われるのか?
一つは上で挙げたように若い時の方が死亡リスクが低いので同じ保険金の保険に入るとしても保険料は安く済むというのが一つ。
ただ、この場合は年をとり、更新が行われる都度保険料がアップすることになります。仮に25歳で保険に加入して15年更新だという場合、今回の保険料は25歳という死亡リスクの少ない時期の保険なのでいいですが、次の更新時は40歳であり死亡リスクも高くなるため、その分保険料はアップします。
もう一つは終身保険のような保険の場合、若いときに加入すればその分保険料を平準化することができるので、年をとってから1年当たりの保険料が安く済むというものです。
更新が無いタイプの保険の場合は、ある程度は意味がありますが、加入から満了までの通期で見れば当然支払う総保険料は高くなります。
「保険は原則的に損をする。期待値はマイナス」でも説明したとおり、保険というのは原則的には損をする商品になっているわけですので、若い時に入っている方が得などと考えずに、必要になった時に考え始めてOKです。

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